MT車の運転についての雑感

〇ダブルクラッチ

2速または3速へのシフトダウン時に使用。

ダウンヒルや交差点への進入時に重宝するテクニック。特に過走行車や冬季での運転には必須。

ただこのテクニックは生活道などの狭くて死角の多い道路で多用する代物ではない。

 

〇+20km走行

2速から上のギアでは+15~20kmくらいまで引っ張ると走行がかなり安定する。

幹線道路ではあまり必要ないが生活道などの狭くて死角の多い道では重要なテクニック。特にトラック等の大きな車を運転する場合は必須。

アクセルオフした瞬間からエンブレでしっかり減速がかかるので運転に安定感が出る。

これのせいで燃費的な意味でターボ車は市街地の走行に絶望的に不向き。

 

〇排気ブレーキ

とても便利な減速手段。

ただ積荷の状況やギアの選択状況によっては過信は禁物。でも実際とっても便利。

切り忘れての走行にご注意。

※ずっと入れてるほうが走りが安定するような気がしてきた。

 

〇シフトダウンによるエンジンブレーキ

エアブレーキ搭載車の基本的な減速手段。4t車以上の車でエンブレや排気ブレーキを使わずにフットブレーキのみで減速をしていると確実に痛い目を見る。

減速または停止時は余裕をもって手前から1速落としてやるとスムーズに走行することができる。

 

〇滑らかな操作

ステアリング、ペダル操作、シフトノブの操作など、手足を使ったすべての動作を「カクカク」ではなく「ぬるぬる」となめらかに行なうイメージを常日頃から持っていたほうがいい。

乗用車レベルならカクカクでもそこまで問題ないが、トラックを運転しだすとぬるぬる運転できないと安全かつ迅速に走行することが非常に困難となる。

センチではなくミリ単位でシームレスに動かすイメージ。焦ったら負け。

 

〇据え切りは奥の手

基本的にはハンドルの据え切りはしないほうがいい。特にトラックでは。

車体感覚が分からない状態で90度曲げバックをするときは特に外側リアにびびってハンドルを切りすぎてINを詰めてしまう傾向にあるがこれは巻きこみ事故の元。

ハンドルは動きながらの徐々切りが基本。

 

〇左の感覚

走行中の車線内での自車の位置感覚は左ミラーで合わせるのが正解。

右で合わせるのも不正解ではないが、狭い道で大型等と離合するときに普段から右で合わせているとかなり苦労する。

2t車や3t車であれば左ミラーの下にポールがあるはずだから、ミラーに映った白線とそのポールが一直線上になるような位置で走行する習慣を身につけておけば、右も左もぶつけるような事態はそうそう起こらなくなる。

このことに最初に気がついた人はまじで神。

 

〇バックの基本はドアミラー

たとえバックモニターが付いていようともバック時の安全確認の基本は左右のドアミラー。これは絶対。

バックモニターを確認するタイミングは最初の動き始め、それから左右のドアミラーで空間を確保できてから、または左右の空間を確保しつつバックモニターちらちらが正解。

バックモニターに頼って曲げバックしてたらいずれ間違いなく左右のリアをぶつけて事故る。

 

〇ブレーキは最後に抜く

フットブレーキを踏んだままで停止すると最後に車体がカックンとなる。特に車が大きくなればなるほどそのカックン度合いは大きくなっていく。

エアブレーキであれディスクブレーキであれ、車が停止する寸前のところでなめらかに足を抜いてやると車体のカックンは劇的に減少する。

 

〇ブリッピングシフトダウン

やる意味なし。がんばってダブルクラッチを習得しましょう。

というか最近の車だとよっぽど速度差のあるシフトダウンでも常用しないかぎりダブルクラッチすらもいらない。

シングルクラッチシフトダウンで十分。

 

〇減速しつつ右左折しながらのシフトダウン

シフトダウン時のトランスミッションへの負担が最も少ないのはこの方法だと思う。

シフトダウンしてから減速して曲がる方法。減速してからシフトダウンして曲がる方法。どっちのほうがより安全で効率のいいシフトダウンなのだろうか。

 

〇INの巻き込みはチキンの証

前進でもバックでもINで障害物を巻き込むのは外側にびびってハンドルを早く(大きく)切りすぎた証拠。

前進なら外お尻 > 外前 ≧ 内後輪の優先順位で通していく感じ?

バックなら外前 ≧ 内後輪 > 外お尻の優先順位で通していく感じ。

慣れるまでは1つ1つゆっくりとクリアしていくイメージで。

特にバックではIN側の障害物に後輪が並ぶまではハンドルは切らなくていいまである。

漢なら外側のお尻をぶつけていけ!

 

クラッチの基本は全つなぎ

トラックで半クラを使うのは発進時かよっぽどきわどい道や障害物を通過するとき。

2速+排気ブレーキ。またはR+排気ブレーキ。この組み合わせでトラックはかなりゆっくりと進むことができる。下手な半クラ状態よりもこっちのほうがよっぽど安全に周囲確認をする余裕が生まれる。

なので安易に半クラに逃げるのはかえって悪手だと思う。

なお乗用車のバック全つなぎは速度が出すぎて正直危ないのでまじでお勧めしない。

 

半クラが下手だと事故る

車が大きくなるほどにスムーズな半クラは難しくなるし重要になる。

半クラで止まる。②半クラでゆ~っくり進む。③半クラでゆっくり進む。最低でもこの3つの半クラは意識的に使えるようになっておくべき。

中型以上の運転では①と②が意識的に使えないといずれ確実に事故る(特にバック時)。

なんでこれができないと事故るのかはトラックで生活道につっこめば嫌でもわかる。

 

〇運転はリズム

車の運転で時間的なノルマがある仕事をしている場合、時間を守りつつ無事故かつノンクレームで仕事を終わらせる最も重要な要素は「リズム」だと思う。

まずは自分のリズムを知ること。焦るなと言われても慣れるまでは絶対に焦る。まずは間とひと呼吸を大事にして心に余裕のあるリズムを作ること。

運転は緩急が大事。アクセルを踏むべき状況ではしっかり踏む。徐行すべき状況ではエンブレを効かせてしっかり減速する。黄色信号でも行くべき状況では行く。止まるべき状況ではちゃんと止まる。死角で見えない場所ではしっかり止まって確認してから進む。たとえ急ブレーキであっても止まるべき状況では止まる。

運転はリズム。リズムを崩すな。